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〈物語〉シリーズ セカンドシーズン -猫(白)-傾-囮-鬼-恋- 【感想】






シリーズの醍醐味を受け継ぎながらも
ある種の変革をもたらした挑戦作。
この挑戦によって失うものもあるが得るものも同じくらい大きい。





『猫物語(白)』
【羽川翼トイフ私ノ物語ヲ、シカシ私ハ語ルコトガデキナイ】

猫物語(黒)に続き羽川翼の問題に焦点を当てた作品であり解決編ともいえる内容です。
二学期初日、虎の怪異を目撃した羽川翼…その日あっけなく羽川翼の家は火事で全焼し、
行く当てのない羽川翼は学習塾跡、戦場ヶ原家、阿良々木家を転々としていく物語。

虎の怪異の声は斎賀みつきさんが演じてらっしゃるんですが普通に男性の声にしか聞こえなかった。
岸尾だいすけさんかな?と思って観てたからスタッフロール観てびびりました。
ダンガンロンパで不二咲千尋を演じた宮田幸季さんは男性だし異性の役でも上手にこなせる人もいますよね。
すごいなぁ。

相変わらず家族仲はあまり良好とは言えずむしろ最悪とさえいえる。
無関心というのが一番どうしようもないね…
学習塾跡でさえ特に問題なく生活できてしまう彼女の異端性は健在でそこが彼女の病んでる部分でもあり、
なんか印象としては不感症の人みたいに感じるんですよね、何も感じないの?っていう…
しかし彼女は仕方なしに受け入れそれらを我慢してるだけで、
ストレスは確実に蓄積されているのです。
当たり前のようにこなす一連の流れもストレスを受け流す彼女なりの処世術なのでしょうか。
今回の問題は彼女の許容できない出来事が起因して発生した問題です。

戦場ヶ原家にお邪魔する羽川翼だけど戦場ヶ原が神原みたいなエロキャラになってました(笑)
今回は羽川翼視点の物語で阿良々木くんも最後の最後まで登場しないので
羽川翼が家に泊まりに来たら是非やりたい阿良々木くんの願望!みたいな感じで
彼氏の代わりに彼女が本懐を遂げようとしてくれてたのかもしれません。
一緒にお風呂とかうらやましいわ~。
ちょっとしたエロシーンくる度にブルーレイ集めててよかったとか思ってます。
それ以外のシーンでも普通にクオリティの高さが毎度のことながらすごいですよね。

一話と二話の戦場ヶ原と羽川のやり取りが同じようで、
まったく違う意味合いのものになってたのもうまい見せ方だと思います。

--------------------

戦場ヶ原「ねえ、羽川さん」

(そそくさと制服を脱ぎ始めた私に戦場ヶ原さんは唐突に聞いてきた)

戦場ヶ原「阿良々木くんのこと、いまでも好き?」

羽川「うん、いまでも好きだよ」

【私ハスグニ答ヘタ】

一話終了。

--------------------

戦場ヶ原「ねえ、羽川さん」

(戦場ヶ原さんが私の目を見つめたままで言う)

戦場ヶ原「あなた本当に阿良々木くんのこと好きだったの?」

(それは少しだけ昔みたいに平坦な口調だった)

戦場ヶ原「いまでも阿良々木くんが好きだって、もっかい言える?」

二話終了。

--------------------

二話で戦場ヶ原にも羽川の異端性があらわになりはじめ、
そこにきて一話の最後と同様の問いかけを改めて羽川にするシーンです。
目を背けてるだけなのかそれとも本当に気がついてないのか戦場ヶ原にストレートに指摘されても目が点の羽川。
つまりすべてを受け入れてしまう彼女は本当に阿良々木くんが好きだったのか?ということですね、
どの人間に対しても分け隔てなく接することのできる彼女にとって嫌いという概念は存在無く、
等しく人間の価値はみな同じで阿良々木くんもそのうちの一人、
羽川が受け入れた一人にすぎないんじゃないかという戦場ヶ原の疑問。
実際一話で羽川は迷うことなく阿良々木くんが好きだと即答しましたが、
戦場ヶ原を好きか聞いても迷わず好きと答えるでしょう。
普通の人だったらその好きの間には意味合いの違いが生まれますが
羽川翼にはそれがないのではないか…そんな風に思われてしまったわけです。
羽川翼の手料理を食べただけでそこまで分析する戦場ヶ原さんやばすぎ。

無駄なことを一切してこなかった彼女ですがそもそもそれが一番無駄な過ごし方だったんですかね。
この物語はそんな彼女が初めて自身の気持ちに向き合い、己の無知や愚かさを受け入れ、
「やっぱり阿良々木くんが好きだった」という再確認をすると共にその恋に終止符をうつ物語でもあります。

最後まで全然登場しない阿良々木くんですが登場の仕方やタイミングが完全に主人公で普通にカッコよかったw
阿良々木くん失踪の謎など他の話に連なる伏線がいくつかあり、
他の話と表裏一体になってる構成は嫌でも続きが気になるというものです。
『猫物語(白)』は物語シリーズセカンドシーズンのスタートとしては好印象でした。




『傾物語』
【幽霊になったことは不幸せです。でも、阿良々木さんに会えたことは幸せですね】

まよいキョンシーというタイトルだから八九寺メインの話かと思ったら案外そうでもなかった。
物語の根幹、主題に八九寺真宵というキャラクター据えたのであって登場シーンはそんなに多くなかったです。
メインで登場するのは阿良々木くん&忍です。

夏休みの宿題をやってない阿良々木くんが忍の力で一日前に飛んで宿題をやろうとするのですが
タイムスリップした先は何と11年前の5月13日。
11年前の今なら戦場ヶ原の家庭問題を解決してやることが出来るんじゃないかと一瞬考える阿良々木くんですが
一介の高校生にどうにかできるレベルではないと結論付ける、羽川翼の問題も同様。
しかし八九寺真宵の交通事故ならどうにかできるんじゃないか?
運命のいたずらか奇しくも5月13日は八九寺が事故にあう前日だったのだ。
『八九寺真宵を死なせない』
これは阿良々木くんが忍と一緒に目の前の女の子を救おうとする物語です。

阿良々木くん&忍視点でしかも陰ながら救おうとする話なので八九寺の出番はあまりないんですよね。
なので八九寺をたくさん観たい!という方には少し物足りない話かもしれません。

11年前の羽川翼に大興奮してる阿良々木くんを観てこれでこそ物語シリーズだよなぁ、としみじみそう思いました。
変態を包み隠そうとしない阿良々木くんまじやばすぎ(笑)
戦場ヶ原さんが一番大切なのに幼児羽川さんで大興奮する阿良々木くんって…
心と体は別物みたいなそんなリアリティを阿良々木くんを観るたびに感じるんだわ(´・ω・`)

幼児阿良々木くんは家の庭で一人土遊びとかすでにボッチ臭がして泣けてくる。
せめて妹たちと遊びなよ…

今回の話は今までの話の中でもアプローチの仕方が変わっててSF要素があります。
このシリーズは新キャラというのもあまり登場せず毎回お馴染みのメンバーや舞台で進行していきますが
タイムスリップという設定のおかげで子供の頃のキャラクター、雰囲気が少し違う舞台など
ちょっとした新鮮さがありました。

八九寺を救うことで元の時代がどうなるかなんて深く考えてなかった阿良々木くんだけど
現代に戻った彼を待ち受けていたのは想像を絶する結末…

『八九寺真宵を救ったことにより世界は滅んでしまいました』

正確には別ルートの未来がそうなってしまったわけですがあまりにも荒唐無稽な現実です。
しかも世界を滅ぼしたのが、
忍野忍ことキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードだというじゃありませんか。
阿良々木くんと歩み寄りきれなかった忍がもたらしたありえたかもしれない未来の姿。
過去で八九寺を救ってしまったことにより生じてしまった亀裂。
阿良々木くんと八九寺が出会わなかったことで世界が終る…
そんなの誰にも想像できませんよね。

でも本当にそうなのでしょうか…
たしかに元のルートでは八九寺切欠で忍を探し当てることが出来たかもしれませんが
言ってしまえば別に八九寺がいなくても何とかできた事態でもあると思うんです。
忍にほんの少しの勇気があるだけで結果は違ってたはずなんですけどね…
阿良々木くんと忍の問題であって八九寺に解決することなどできず彼女はなれたとしても切欠どまりなのです。
つまり世界が滅んだのは断じて八九寺真宵のせいではありません。

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忍野メメ「でも、阿良々木くん。目の前の女の子は、救ったほうがいい。」

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これは成長した八九寺から渡された忍野メメの手紙に書かれてた一文なんですが
「目の前の女の子」という言葉には複数の意味合いがこめられてて
手紙の内容をストレートに受け取ると成長した八九寺のことなんですが
隣にいる忍だって目の前の女の子だし、相対したこの世界のキスショットだって目の前の女の子です。
そこで僕が思ったのは11年前に救った八九寺も目の前の女の子だなぁ、ということ。
自分が八九寺を救って世界を滅ぼしてしまった…
そんな風に考えてるんじゃないかと心配した忍野メメの心遣いの意味合いもあるんじゃないだろうか。
『目の前の女の子は、救ったほうがいい。』という文からは、
君は間違ったことはしてないという忍野メメの優しさを感じました。

まぁ、どうあることが幸せなのかは結局のところ本人にしかわからないんですな。
別ルートで死ななかった八九寺はその後も生き続け成長してましたが
滅んだ世界で寂しく過ごしてると思うと、あれを幸せといっていいのかどうか…

--------------------

阿良々木「でも、生きていてくれて、ありがとうございました」

--------------------

阿良々木くんが成長した八九寺に言ったセリフです。
かつて命を救った相手にお礼を言う阿良々木くん。
世界は滅んでしまったけどそれでもあの時自分が救った八九寺は生きていてくれた。
それだけで阿良々木くんは救われたんでしょうね。
結局のところ自己満足なんだと思います。
【救ってほしい】ではなく【救いたい】だから。

でもそれでいいと思います。
阿良々木くんは自分が『偽物』だってわかってるんです、偽善ですよ偽善。
だから自己満足でいつも誰かを助けるんです、相手がどうしてほしいかなんて関係ない。
自分がそうしたいから助けるんです。
そのために死ねるのが阿良々木暦という人間です。
偽善は偽善でも『本物』の偽善。
ゆえに彼は主人公なのです…小説もまた創作物であり『偽物』なのだから。




『囮物語』
【千石撫子は神様になりました】

なんということでしょう…
撫子ファンにはあまりにも辛い内容。
特にファンというわけでもない僕ですら少し悲しかったです。
今までのシリーズで一番異質でした。
たしかにこれまでも千石撫子の腹黒い部分というのは所々垣間見えていましたが、
そういったあざとさはエロや萌え方向に盛り込まれていて一種の清涼剤的な役割を果たしてくれてたと思うんです。
ですが今回はその腹黒さの核心にせまる内容になってて結構ダークな内容になってます。

ヘビの呪いに悩まされていた千石撫子が新たに白い蛇の姿を立て続けに見るようになり、
「クチナワ」と名乗る白蛇からご神体探すように頼まれます。
ヘビの呪い事件の時に蛇を傷つけていたという後ろめたさのある彼女は
罪悪感からご神体探しを承諾するのですが…
というお話。

全体の話の印象としてはクチナワや忍に月火ちゃんなどが歯に衣着せぬ物言いで、
撫子のメッキを次から次へと剥がしていくような感じなんですよね。
んで、精神的に追い詰められた【千石撫子は神様になりました】みたいな。
千石撫子という女の子はとんでもないですよ、
この作品で描かれている撫子の物語というのは撫子の創作らしいです。
つまり僕たちは全4話かけて撫子の作り話に付き合わされていたわけです。
撫子には神様が必要だった、神様復活にはご神体が必要だった。
でもご神体が危険なものだって何となくわかってた…手に入れちゃいけないものだってわかってた。
だから自分の行動を正当化するために物語を創作したのです、
自分の悪事を隠すために囮の話を用意した「囮物語」

腹黒さが露呈してからは開き直ったかのように、
そうまるで憑きものがおちたかのようにすっきりした雰囲気で神様へと一直線です。
でも彼女の場合は憑きものがおちたというより神様に憑かれた…
いや、むしろ神様に憑いたというほうが正しいかもしれません。
神様になってからは迷うことなく阿良々木くんと忍を半殺しにするくらいの容赦のなさで
どこの魔神ブウだよ!とツッコミたくなるほど純然たる悪、純粋悪という感じで悲しかったです。
彼女が『偽悪』であることを僕は切に願ってます。

その撫子を焚き付けたのが忍野扇という忍野メメの姪を自称する少女なんですが
この話で一気に彼女がきな臭くなってきました、彼女はいったい何者なのでしょうか…

感想や評価というのも「囮物語」単体じゃ書きにくい部分があります。
なぜなら終わってないんですよ、いやある意味じゃ終わりました。
千石撫子の勝利!大勝利!!完全勝利!!!
ゲームオーバー寸前のコンティニューって感じです。
いままでの物語はすべて一応の解決というか一つの区切りとして締めてましたが今回はそれがない。
あくまで「恋物語」への布石という印象です、
なので評価する場合は「恋物語」とセットで考えるのが妥当な気がしなくもないですが
「囮物語」として独立したタイトルになってるので単体で評価してみました。




『鬼物語』
【「さようなら」八九寺真宵。お前と遭えて、幸せだった。】

『傾物語』のエンディングからそのまま『鬼物語』に突入します。
八九寺真宵を救うことに見事に失敗した阿良々木くんは八九寺と一緒に歩いてると、
正体不明の「くらやみ」に襲われますが間一髪のところを斧乃木余接に助けられます。
「くらやみ」の正体について忍にたずねると彼女は400年前のとある出来事について語り始めたのでした。
忍に最初の眷属とされた男「初代怪異殺し」との出会いについて…

この話は「猫物語(白)」の序盤、阿良々木くん失踪の謎が明らかになる話です。
「猫物語(白)」終盤の阿良々木くんの様子からするに『鬼物語』後もう一波乱あったようですが
それはセカンドシーズンじゃ描かれてないみたいですね。

少女、妖女、童女がメインキャラクターとして登場する阿良々木くん大喜びの物語ですが、
内容は少々センチメンタルなものになっています、セカンドシーズンの中では泣ける話なのではないでしょうか。
忍の過去から臥煙伊豆湖との出会いにその後の伏線、そして八九寺真宵との別離を描いた物語は
いままでシリーズを観てきたものからしたらとても寂しいものがあります。
だって八九寺がいなくなっちゃうんです、もう二人の掛け合いも楽しめないんです。
どのキャラクターもとてもクセの強い個性的な面々ばかりなので
その中から一人消えるってこりゃもう一大事ですよ、阿良々木くん本当に八九寺のことが大好きでしたからね。

忍の過去の話や八九寺との別離など本筋は悲しいんですけど、
だからこそなのか本筋以外のおふざけの部分でいつも以上に幼女との戯れがぶっとんでるんですよ。
だって阿良々木くんは余接、忍、八九寺の三人全員とキスしやがったんですよ!w
最後の八九寺のキスはシーン的に野暮なことは言いませんけどそれ以外はね?
たしかに余接ちゃんにはされたほうだけど忍には迷わずかましやがったし、
撫子が殺したくなるのもわからんでもない(笑)
戦場ヶ原さんの心配をよそにまさか幼女三人とキスしてたなんて…
『猫物語(白)』時点では予想だにしてませんでしたわ。
まぁ幼女とのキスはぶっ飛んでるけど、
余接、忍とのキスが最後の八九寺とのキスの伏線になってる構成は悪くなかったんじゃないかな。
正直ただの変態シーンとして観てましたし実際そうなんだけど、いい意味で騙されたというか
シナリオありきの変態シーンだったんだなとw
幼女相手に何でもありなのが阿良々木くんなんだよね、最高だぜ。

『傾物語』であまり出番のなかった八九寺も今回は出番が多いし、
しのぶタイムとありますがむしろ八九寺の物語だったかな。
まよいキョンシーは逆に忍の物語に感じましたが。
『傾物語』と『鬼物語』は忍野忍&八九寺真宵二人の物語です。
どっちがどっちということもなくどちらの作品にとっても二人の存在がとても大きいんですよね。




『恋物語』
【弁えろ、お前が千石のためにできる事なんか何もないんだから】

『囮物語』の続きを描いた解決編です。
戦場ヶ原の機転で阿良々木、戦場ヶ原、忍の殺害を卒業式まで待ってもらうことに成功したのですが
このままでは遅かれ早かれ殺されることに変わりはありません。
そこで戦場ヶ原は阿良々木に内緒で貝木泥舟に連絡をとり千石撫子を騙してくれるよう依頼するのですが…

まず気になったのはOP。
80年代臭がすごい(笑)
気まぐれオレンジロードとかそこらへんを思い出す。
もしかしたらディスク版だけかもしれませんが1話から3話は「fast love」という曲で
4話から6話が「木枯らしセンティメント」という曲になってます。
同じ曲なんですが歌詞が違うんですよ。
歌詞から察するに「fast love」が戦場ヶ原にとっての阿良々木くんを歌ったもので
「木枯らしセンティメント」が戦場ヶ原と貝木泥舟の関係性を歌にしたものだと思います。

--------------------

『fast love』

昨日なんて 通り過ぎた後は
そう すべて が些細なことになる
今も残る いつかの 傷あとの
痛みさえ もう 忘れてしまってた

ねぇ 君に出会った瞬間に
運命は 塗り替えられちゃって
こわいものなど もう ひとつだけ

私の 全部を ひきかえにしても
守りたいと思ったのは
はじめてなんだ

この世に 生まれた 理由はなくても
でも 確かに 生きてる 意味
私は もう 見つけたから

悴む空 どんな季節よりも
輝いてる あの星たちのように
冬の 凛と はりつめた空気に
研ぎ澄まされた心が囁く

想い通りに ならないのなら
運命を 変えちゃえばいいから
だいじなものは そう ひとつだけ

私の 全部を ひきかえにしても
守りたいと思ったのは
はじめてなんだ

この世に 生まれた 理由はなくても
でも 確かに 生きてる 意味
私は もう 見つけたから

私の 全部を ひきかえにしても
守りたいと思ったのは
はじめてなんだ

この世に 生まれた 理由はなくても
でも 確かに 生きてる 意味
私は もう 見つけたから

--------------------

『木枯らしセンティメント』

理由さえも 忘れてた 涙で
凍りついた 想い出は 綺麗で

あの季節と 同じ 木枯らしが
二人の時間を 今 巻き戻す

勘違い 一時の 気の迷い
ありふれた 感傷ごっこ
永遠に
見つからない 刹那

もう一度
もう二度と
云えない 言葉は
幼いまま
優しいまま
悴んだ記憶

もう一度
もう二度と
云わない 答えも
哀しいまま
可愛いまま
ぬくもりだけ 置き忘れて

夜明け前の 一瞬の静寂
耳の中を 記憶が支配する

その背中に あの瞬間 つぶやいた
届くことのなかった恋文(聴こえないふりをした恋文)

すれ違い 振り向くこともなく
選んだ物語の続きは
今日という
あなたじゃない 未来

もう一度
もう二度と
云えない 言葉は
幼いまま
優しいまま
悴んだ記憶

もう一度
もう二度と
云わない 答えも
哀しいまま
可愛いまま
ぬくもりだけ 置き忘れて

もう一度
もう二度と
云えない 言葉は
幼いまま
優しいまま
悴んだ記憶

もう一度
もう二度と
云わない 答えも
哀しいまま
可愛いまま
ぬくもりだけ 置き忘れて

--------------------

原作は未読ですが『木枯らしセンティメント』の歌詞を聴く限り、やはり戦場ヶ原の初恋は貝木だったんでしょうね。
『fast love』のほうも初恋を意味するタイトルですがLOVEには愛という意味がありますから
この場合は「初めての愛」という受け取り方のほうがしっくりきます。
ふざけたOPのように見えて実は戦場ヶ原の阿良々木くんへの愛情の深さが窺い知れると同時に
貝木泥舟は過去であることが印象付けられたOPになってます。
OPが古臭いのにはそういう意図があるのかもしれません。

主人公は貝木泥舟で彼の視点で物語は語られます、語り部です。
そして【語り】は【騙り】とも書きます、【語り部】より【騙り部】のほうがしっくりくる。
貝木泥舟とはそういう男です。
『囮物語』で半殺しにされた阿良々木くんは最後で少し登場するだけで
この物語に限って言えば彼にできることなど何もなく完全に脇役に徹してます。
しかし戦場ヶ原が貝木に連絡をとってまで救いを求めたことを考えると
それはやはり阿良々木くんの存在が大きいわけで、
本作での彼の役割を強いてあげるなら「存在」ということなのかもしれません。

戦場ヶ原から簡単な事情説明を受け依頼を引き受けるか否か自問自答する貝木。

--------------------

貝木「戦場ヶ原と阿良々木のために無償で働いてやる気持ちはあるか?
    かつてのライバルたちが無様に殺されるのを見ていられないという気持ちが俺にはあるか?
   …NOだ…絶対にない、下手をすれば俺はスッとしてしまうだろう」

貝木「ならば千石撫子という奇病にかかってしまったらしい娘のためなら俺は無償で何かが出来るだろうか
   …NOだ、誰だそいつは?知らん」

貝木「ならば、かつて騙した純情な娘である戦場ヶ原に償いをしようという気持ちをもとにすればどうだ?
   ライバルでなく旧知の間柄として戦場ヶ原個人に対して、
   あるいは戦場ヶ原家に対して何かしようという気持ちなら俺にはあるか?
   …NOだ、そんな気持ちなんてない、その件について俺は何とも思っていない
   例え俺の詐欺の結果、一家の娘が身売りするはめになったところで俺の生き方は一ミリも動かないだろう」

貝木「だったら阿良々木はどうだ?そう、あいつの妹をいじめたことがあったな
   それに影縫から金をせしめるためにあいつの情報を売ったこともあった
   そのささやかなお返しとして、つまりお釣りとしてやつの命を助けてやるというのはどうだろう?
   …NOだ、例えお釣りがあったとしても、いくらなんでも割に合わない
   ここまでの交通費でそんなものは消えている」

貝木「あとは…そうそう、羽川という娘か。友人のために海外まで行くという、
   その度を越した娘の健気さに心を打たれてみるというのはどうだろう?
   あるいはその娘はとんでもないお金持ちかもしれない、
   礼はそいつの両親からせしめるというのは…NOだ」

貝木「んー、だめだ。いくら考えてもこの仕事を受ける理由が見当たらない
   何の得もないどころか受けることが俺の損にしかならない」

貝木「あー、そうだ。そういえばあの街にはいたのだった、臥煙先輩から見て姪にあたる、
   つまり臥煙先輩の姉の臥煙遠江の忘れ形見ともいうべき一人娘がいたのだった
   たしか、今は苗字が変わって神原駿河
   神原駿河は直江津高校の生徒でしかもかつて戦場ヶ原とは仲が良かったのではなかったか?
   俺が初めて阿良々木と遭遇したのはその神原家の前だった
   阿良々木が神原とつながりがあるのだとすれば
   当然のように戦場ヶ原と神原もつながりがあると見るべきだし、
   仮になかったとしても少なくとも神原と阿良々木がつながっていることはたしかだ
   …神原駿河のためなら憎き戦場ヶ原と阿良々木を助け千石撫子を騙すことが俺にはできるだろうか?
   ……YESだ。」

--------------------

貝木にとって神原駿河とは、いやこの場合は臥煙遠江というべきでしょうか。
彼にとってこの親子はどういう存在なのかな…
利己主義の貝木が自問自答した結果、神原駿河のためなら神を騙せるという結論に至りました。
なんかよくわからないけどかっこいい、背景があまり把握できないからこそかっこよく感じる。
背景が見えないと本当に神原のために引き受けたのか、
それとも単なる貝木の気まぐれなのか不透明な部分がありますよね。
ただ偽物語のときも神原を気にしてた様子はありましたし、
因縁浅からぬ関係というやつかな?
しかし見解によっては戦場ヶ原を助ける言い訳として臥煙遠江という存在を利用したようにも思えました。
本当は戦場ヶ原を助けたいくせに詐欺師としての自分がそうさせない。
だから彼はまず自分を騙すことから始めたのではないでしょうか。

今回新たに貝木の側面が垣間見えてきます。
戦場ヶ原の人生を狂わせた宗教団体がその後貝木によって潰されていたという新事実です。
なぜ彼がそのようなことをしたのかは謎ですが、
もしかしたら戦場ヶ原を多少なりとも哀れに思い救ってやろうかと考えたのかもしれませんし、
そうじゃないのかもしれません。
ただ一つ言えることは戦場ヶ原はそれじゃ救われなかったということです。
つまり貝木は戦場ヶ原を一度救うことに失敗しており、
この『恋物語』において見事救ってみせるわけです。
ただそれに関しても戦場ヶ原が貝木に連絡するという切欠ありきなので
彼女にその強さを与えたのは間違いなく阿良々木暦なんですよね。
貝木が救えなかった戦場ヶ原を阿良々木が救い、
阿良々木に救えない千石撫子を貝木が救う物語ともいえます。

貝木は自身を偽物と称してますがそれは詐欺師としてもそうだと思います。
阿良々木くんが『偽善』ならば貝木泥舟は『偽悪』でしょうか。
本当の悪人は他者を救ったりしません、
救おうと試みた時点で彼もまた偽物だったのです。
貝木が好きなのが金ならばなにも詐欺である必要はない。
やり方と金額しだいで人助けをしたって不自然じゃないと思うんですけどね。
それじゃまるで忍野メメだけど。

千石撫子を騙すために彼女の情報を集める貝木とそれをサポートする戦場ヶ原。
阿良々木に内緒でというエッセンスが加わることでなんか間男との密会みたいな雰囲気が漂う謎の演出(笑)
まぁ偽物語の延長線上みたいなものでそっちで描き切れなかった、
貝木と戦場ヶ原の関係性や距離感などをもう少し描写したかったのかもしれないね、
そんな微妙な空気感で戦場ヶ原とやり取りを繰り返し、
羽川などと会い徐々に千石撫子に関しての情報集めていく貝木。

貝木いわく千石撫子を騙すのは容易いらしいけど撫子もある意味詐欺師だよなぁ。
詐欺師VS詐欺師だ。
撫子の場合は自分も含めたすべてを騙してたんだけどさ。
すべてが嘘で真実がないならば嘘も真実になってしまうのだろうか?
もし彼女にも真実が存在するのだとしたらそこがウィークポイントということになるだろう。
【騙す】か【殺される】か【救う】か【殺される】か貝木泥舟一世一代の大勝負。

--------------------

ふぅ、ようやく観終わりましたよセカンドシーズン。
ずっとブルーレイ買ってるんですが気がついたら12枚くらい積まれてて
単純計算で一年間分買うだけで観てなかったようです。
なんか毎月買ってる気がします、ようやく集め終わったと思ったら
新シリーズアニメ化決定の知らせが封入されてたりするんですよね(笑)
『憑物語』も予約してるけど新シリーズのお知らせくるかしら…
というか『傷物語』はどうした!

今までのシリーズは阿良々木くんが語り部を担当していましたが
セカンドシーズンでは阿良々木くん以外のキャラ視点で描かれる話がいくつかあり、
作品をより多角的方面から楽しむ構造になっており、
それによってこれまで掘り下げられてこなかったキャラクターの
人物像を深く知ることが出来る作品になってました。
面白い面白くないは観る人の好みなのですがクオリティで言えばどの話もクオリティが高く、
不安要素の見当たらない、まさに隙のない作品といえるでしょう。

ただ毎シリーズなんらかの伏線は落としたまま終了するのでモヤモヤは残ります。
定期的にアニメ化されていってるのでそこまで気にならないですけど、
完走しないまま中途半端に終わるのだけはやめてもらいたいですね。

この作品一番のポイントはやはり千石撫子というキャラクターでしょう。
『恋物語』以降の話で彼女が登場するのかはわからないけど
彼女が登場しても哀れみにも似た感情が先行しちゃって今までとは見方が変わっちゃうね。
『恋物語』以降の登場ならまだ応援してあげたくなるけど『恋物語』以前の時間軸で登場されたら
あー、全部偽りなんだなぁ、ってなると思う。
化物語の撫子の変態シーンとかいま観ても前とは違う感じ方をするかも。
そのくらいセカンドシーズンでの千石撫子というキャラクターの動かし方は激動的でした。
阿良々木くんは撫子には今後関わるなと貝木に言われてるから
もう二人のやりとりを見ることはないのかもしれません、そう思うとちょっと残念だね。

会えないといえば八九寺もそうだよね、消し去ってしまうにはあまりにも惜しいキャラでした。
セカンドシーズンは色々な物語が描かれてくなかでそれぞれの物語にしっかりとした動きがあり面白かったです。
個人的にはいまのところシリーズにハズレ作品はありません、
化物語が楽しめたなら以降の作品も楽しめると思うんですよ、いい意味でシリーズごとのギャップがないです。
このセカンドシーズンに限り一部例外かもしれませんがこれがシリーズの転換期なのかもしれませんね。




総評A80点




タイトル:〈物語〉シリーズ セカンドシーズン -猫(白)-傾-囮-鬼-恋-

【キャスト】
神谷浩史/坂本真綾/加藤英美里/堀江由衣/水橋かおり/早見沙織/櫻井孝宏/花澤香菜/上田燿司/斎藤千和
井口裕香/喜多村英梨/雪野五月/三木眞一郎/etc






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[ 2015/04/20 19:29 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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